塩尻未来会議

2017/2/28

[塩尻”超”未来会議]「地方で暮らす、働くを考える 〜ローカル・ワークライフバランス(信州大学地域ブランド実践ゼミ企画)」を開催しました!

塩尻未来会議」は、まちの課題をみんなで考えて、課題解決への挑戦を応援していくための場所。市民や企業、NPO、そして行政など、塩尻のさまざまな関係者のみなさんの対話の場となることを目指して、継続的に開催されていきます。

2016年度6回目となる塩尻未来会議が、2月21日(火)、東京・原宿駅前にある「if space」にて行なわれました。
東京での「塩尻未来会議」は初開催!塩尻を”超えて”東京から塩尻の未来を語る取り組みを「原宿 if space」との連携により2日連続で開催しました。(2月20日に開催した[塩尻”超”未来会議]「ぼくらは地方で幸せを見つける 〜ローカル×若者×MICHIKARA〜」はこちら)

今回は、信州大学の学生や、首都圏でまちづくりに関わる方々にご参加いただきました。

当日の様子は、原宿 if spaceのフェイスブックページからもご覧いただけます

まずは、信州大学准教授で、塩尻市シティプロモーション推進会議の会長も務める林靖人先生の担当する「地域ブランド実践ゼミ」の学生・16名が、プレゼンを行ないました。

林靖人さん(信州大学准教授/塩尻市シティプロモーション推進会議会長)

「地域ブランド実践ゼミ」の研究テーマは、「ローカル・ワークライフバランス」。

「ワークライフバランス」と言うと、仕事とプライベートがきっちり分かれている”都会的な言葉”に聞こえますが、地方では「仕事」と「プライベート」が必ずしも分かれているわけではないのではないか?という仮説を立て、地方で「働く、暮らす」について考えるゼミです。

今回、学生たちは塩尻市の中小企業やNPOをフィールドワーク&インタビューし、それを元に考えた「地域の課題解決に向けての提案」をプレゼンしました。その中のいくつかをご紹介したいと思います。

須藤高矢さんは、株式会社サイベックコーポレーションで、原春花さんと小浦拓真さんにインタビューしました。原さんは出産のご予定があるということで、「はじめての子育てで不安が多い」と言います。そこで須藤さんは「まちづくりの基本政策は、出産と育児であるべき」と考えました。塩尻市では、3歳以上の保育料を、2人目が半額、3人目が無料という政策をしていますが、「1人目の支援こそ、今後長く塩尻に定住したり、『塩尻に来たい』と言う人が増えるのではないか」と提案をしました。

野澤知佳さんは、La maison gourmandise -ラ・メゾン・グルマンディーズの友森隆司さんへインタビューしました。友森さんから「塩尻はおいしい食材がたくさんあり、塩尻の食材だけでコース料理が作れるほど」という言葉を聞き、「年間10万人も居る料理学校の卒業生が1%塩尻に来るだけでも1,000人。料理人を育てる街作りが良いのではないか」と提案しました。

武田圭介さんは、当時knower(s)で働いていた、現在はコワーキングスペースHanaLab.で働いてる柚木真さん(信州移住計画代表)にインタビューしました。
塩尻に移住して働いていた柚木さんは、「移住して困ったのが仕事探し」という声を聞く一方で、「人口密度がちょうどよくて、なにかしたいときに協力し合えたり、会いたい人にすぐ会いに行けるのが塩尻の良いところ」と聞いて、「塩尻で起業の支援や、年齢や職業不問で交流できる場をつくることで、塩尻に住む人が生き生きとしたり、外部からもやる気のある人が来るのではないか」と提案しました。名付けて、”尻コンバレー”。武田さんは早速これを行動に移していて、友人と松本のとあるバーを買取り、こういった場を提供する仕組みづくりを計画しているそうです。

実は、信州大学の学生は75%が県外出身者。それでも、塩尻のことを「自分ごと」と捉え、自身の未来と重ねて考えている姿が印象的でした。学生ならではの柔軟な発想と勢いで、まちづくりを楽しんでいる様子が伝わってきます。

次に、リクルートキャリア「SPIRIT」のインターンをきっかけに、塩尻で「じもキャリ」という活動をしている、慶應義塾大学4年生の斉藤大地さんと、早稲田大学4年生の松本一真さんから、活動についてのプレゼンがありました。
さきほどの学生たちも、塩尻の中小企業にインタビューをしていましたが、彼らはなんと、そのインタビューを2人で「90社」も行い、その傾向と分析、課題解決の為のアイデアを提案しました。同じ大学生という”先輩”たちの挑戦に、信州大学の学生からも驚きの声があがります。

斉藤大地さん(左)と松本一真さん

斉藤さんと松本さんの活動は”インターン”という枠を超えて、完全に自主活動。その理由はシンプルで、塩尻にインターンに行ったことで地方の現実に目を背けていた自分に気付き、「ほっておけなかったから」と言います。信州大学の学生たちもほとんどが県外からの学生ですから、塩尻に一度足を踏み入れると、どうしても関わりたくなる磁力がはたらいているのかも知れません。

そんな2人は、地方就職の価値を提供したいとの思いから、塩尻を中心に「じもキャリ」というプロジェクトを立ち上げ、地元学生と地元企業の社員が一同に会するイベントの企画実施、そして地方就職に対する情報などを発信しています。

プレゼンでは、多くの企業が下請けの役割を担っている塩尻の中小企業の実情を知ると共に、経営者たちのモチベーションに注目。「どんな状況でも、前に進みたいという強い”志”をもっている社長はとても魅力的だった。自分たちでなにか支援できないかと感じた」という力強い言葉を受けて、塩尻商工会議所の海津さんからは、「もしかしたら商工会議所には言えないけど、彼らには言える、という企業もあるかも知れないですね」と、今後の活躍に期待していました。

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後半は、株式会社フューチャーセッションズ 野村恭彦さんによる、フューチャーセッションを行ないました。
野村さんによると、未来を考えるときは「問いの設定」が大切だと言います。
現状の問題から発した問いだと「できない理由」に捕らわれがちですが、”もし”の未来が「来るもの」と仮定して考えると、たとえ1%の確率でも「どうやったら出来るのか」を考えることが出来るそうです。

まずは、「自身の3年後のベストシナリオを実現するために、どんな『ローカル・ワークライフバランス』の支援が必要か?」についてまわりの人と対話をしたあと、「ワクワクする、ローカル・ワークライフバランス支援のアイデア」をテーマに、似た考えを持つ人とチームをつくり、発表しました。

6つのチームに分かれた結果、以下のようなアイデアが発表されました。

①『どうしたら、大人になってもインターンシップのようなたくさんの経験ができるようになるか』
・経営者に電話できる仕組み(電話帳)をつくる
・”2年間で5つまで、興味のある職に弟子入りできる”という仕組みをつくる
・人間は失敗する生き物。失敗にも給料が出る仕組みをつくる

②『どうしたら、自分たちの事業に共感してくれる現地人を集めることができるか』
・現地のキーパーソンに紹介してもらう

③『どうしたら、会社は労働者に気持ちよく休みを与えられるか』
・ゼネラリストをたくさん育てる
・会社が納得するように、120%の実績を上げる
・会社の人々を巻き込んでいく(ex イベントに連れて行く)

④『どうしたら、いつでも誰でも最高の学びができるか』
・通路でもどこでも議論をはじめられる仕組みをつくる
・バーを活用する
・森の学校をつくる(自然の中で学びたいときに学べる工夫。幼稚園児から大人まで自然の中で提供したい)

⑤『どうしたら、地域のギルドができるのか』
・時間で仕事する(3日間で10万円)
・安定した依頼がある
・頑張った分だけ収入が増える

⑥『どうしたら〇〇な非日常を作り出せるのか』
・ちょうど良い、ザワザワ感がある空間
・一人だけど、ひとりじゃない空間
・カフェっぽい場所が欲しい

制限時間を過ぎても「まだまだ話足りない!」というチームも多く、ポジティブなところから問いを持ち、それについて対話をすると、こんなに短時間でたくさんのアイデアが出るのだと驚きました。

最後に野村さんから「みなさんは、これからのロールモデルの先頭を走っていると思います」という言葉を贈られ、塩尻の未来を担う若者達の表情がキラリと光りました。

そんな学生たちはまだ1年生や2年生。これからどんな面白いコトを塩尻で作っていくのか。
「塩尻未来会議」から生まれる未来が、とっても楽しみです。

<ゲストスピーカー 紹介>

じもキャリ 〜地元でキャリアを考える〜

信州若者1000人会議
「東京で長野県出身の若者がいっぱい集まったら面白いのではないか」。進学や就職を機に、長野県から東京へ、多くの若者が流出してしまうこと。その現状を強みへ変えるために、地元を離れた者同士が集まって結束を強めていく。参加者となる1人1人が、地元長野の魅力を再発見する場が開かれています。

シゴトカイギ ファウンディング・ベース
FoundingBaseが企画する”大人のためのキッザニア”。普段の生活では中々話せないような、現場で活躍する社会人スピーカーとの対話を行う場所。その対話の中から、多様な仕事が存在する社会のリアルに触れることができる場所です。

CAMPFIRE×LOCAL
CAMPFIREが運営する”地域”に特化したクラウドファンディングサービス。各地域のことを熟知したCAMPFIRE公式パートナーがサービスの運営を行い、独自の視点からピックアップしたプロジェクトを日本全国へ向けて発信していきます。

(Text&Photo:吉川真以)