塩尻未来会議

レポート
2016/10/15

[塩尻未来会議]「新しい観光はいろいろあるはず。塩尻の観光をプロデュース!」を開催しました!

「塩尻未来会議」は、まちの課題をみんなで考えて、課題解決への挑戦を応援していくための場所。市民や企業、NPO、そして行政など、塩尻のさまざまな関係者のみなさんの対話の場となることを目指して、継続的に開催されています。

2016年度3回目となる塩尻未来会議が、10月4日(火)塩尻市大門一番町の複合公共施設「えんぱーく」で開催され、40名を超える参加者が集まりました。
テーマは「新しい観光はいろいろあるはず。塩尻の観光をプロデュース!」。
「ワイン」と「漆器」が主な観光資源の塩尻市ですが、交流人口を拡大していくためには、新しい切り口や観光資源も考えていかなければなりません。
今回は、ゲストスピーカーとして東筑摩郡山形村で自転車チームを率いる中畑清さんと、この夏にインターンシップで塩尻を訪れた東京の大学生3人を迎えました。参考事例を聞くとともに、参加者発の具体的な企画アイデアを参加者同士で深める会になりました。

この模様を『塩尻耕人』編集室Oがリポートします。

今回もファシリテーターは塩尻市役所シティプロモーション係の山田崇さん。アドバイザーにはNPO法人シブヤ大学の左京泰明さんと、シビックプライド研究会の紫牟田伸子さんをお迎えしました。

左から左京さん・紫牟田さん・山田さん

まず、最初にアイスブレイクとして、1グループ6人で「小学校の頃の夢」「出身地(市町村名)」「所属と氏名」「好きな旅行先とその理由」を紹介しあいました。
たとえば左京さんは、「IT系サラリーマン」「福岡県北九州市」「北海道のネイチャーホースライディング(子ども達を遊ばせることができるから)」といった具合です。
今回の参加者は市内と市外が半々くらい。県外から参加してくれた人も多く、塩尻の中の目と外からの目がいいバランスで集まったようです。

次にグループごとに「あなたにとっての『観光資源』、新しい『観光』」について、付箋で書き出してシェアしました。
ここでは、通り一遍の観光地ではなく、「自分が友達を案内するとしたらどこを案内するか」「塩尻の中のあなたのオススメ」を挙げていきます。
私(編集室O)も、グループワークに参加しましたが、「山麓線のドライブ」「空港の近くから見える北アルプス」などを知って、行ってみたい場所が増えました。塩尻の観光資源の最も大きなキーワードは「自然環境の良さ」ではないでしょうか。それも、山奥の原生林みたいなところではなく、日常の生活と隣り合わせである「心に残る風景」のような。

次にゲストスピーカー2組によるプレゼンテーションです。

まずは、東京から来た大学生による発表。吉田圭佑さん(東大院1年)・秦正顕さん(早稲田大3年)・宮本滉平さん(一橋大3年)の3人は9月に通信大手・ソフトバンクのインターンシッププログラムで塩尻市を訪れました。5泊6日のプログラムで、奈良井宿を舞台にしたインバウンド(訪日外国人)観光の施策をつくり、市長に提案したそうです。今回はその際の提案を未来会議参加者向けにプレゼンしていただきました。

概要は、JR奈良井駅の待合室にソフトバンクの人型ロボット「pepper」を配置し、訪れた外国人に観光案内をするというもの。観光客の言語に合わせて、オリジナルの観光ガイドをプリントアウトして渡します。
「中山道沿いに訪日外国人観光客が訪れているものの、受け入れ対応が十分にできていないのではないか」という問題意識から、訪日外国人向けの情報提供をソ フトバンクや語学のできる大学生が協力して整えていこうという提案です。白馬村並みの年間7.8の外国人旅行者を呼び込むことを目標にしています。
奈良井宿という観光資源をどう生かしていくのか。「pepper」だけでインバウンド対応が十分にできる訳ではないですが、訪日観光は切り口の一つとして重要だと思いました。

次に、自転車競技チーム「イナーメ信濃山形」で監督を務める中畑清さんが登壇しました。(某プロ野球監督と同姓同名ですが別の人物です)
「イナーメ信濃山形」は2007年に長野県東筑摩郡山形村を拠点に設立されたチームで、「イナーメ」とはフランス語で「長芋」という意味で、山形村の特産 が長芋ということに由来します。レース活動だけでなく自転車による地域貢献、自転車のある生活の提案をテーマに、自転車の楽しさ、マナーの啓蒙を県内各地 で開催するイベントを通じて発信しています。
チームのメンバー全員がフルタイムの仕事を持っていて、中畑さんも厨房設備の仕事をしています。この日も仕事を終えて駆けつけてくださいました。
自転車以外の仕事があるとはいえ、プロのリーグ(Jプロツアー)に参加しているチーム。シーズン中は毎週のように日本各地を転戦しているそうです。
中畑さんの夢は「2025年に塩尻で世界大会を開催する」こと。
ブドウ畑と山のある景色や、自転車競技と高相性のワインがあることが塩尻のポテンシャルだそうです。
その夢の実現の第一歩として、2014年4月に松本歯科大学を会場に「チャリフェス」を開催。子どもの自転車レースなどの企画を行いました。今年は11月3日に塩尻の自動車教習学校でイベントが開催されました。

参考ページ:
https://www.facebook.com/charifestival/

後半は対話の時間。グループごとに観光企画を練っていきます。
まずは、A4の紙1枚にひとりひとりが「塩尻でやってみたい観光」を書いてシェアしました。

次に、深めてみたいテーマを持つ参加者がテーマリーダーとして立候補。テーマリーダーを中心に、それぞれの「やってみたいこと」を更に深く掘り下げていきました。

グループのテーマは次のようなものです。
①「真夜中のサイレントムービー祭in大門商店街」
②「松本平を自転車で巡る拠点を作る」
③「外国人に住みやすさを発信」
④「塩尻の野菜を使ったコミュニティレストラン」
⑤「職人のおじさんスタンプラリー」
⑥「旅人が集まるフリーな酒場@奈良井宿」
⑦「猫の写真コンテスト」
⑧「こども観光課」
⑨「子どもと大人のエキシビジョンクリテリウム」

私が討議に参加したグループは「真夜中のサイレントムービー祭in大門商店街」。信州大学建築学科2年生の東礼華(ひがし・あやか)さんがテーマリーダーでした。
これは塩尻市中心市街地の大門商店街で、店舗のシャッターをスクリーンにして映画の上映会を行うというアイデア。閉店した店舗の目立つ商店街の問題を逆手 に取った発想がおもしろいと思いました。しかも、塩尻でロケが行われた『金メダル男』(出演:内村光良)が今秋公開されるなど、時流もつかんだテーマで す。
東さんの発案に、グループの参加者からさらにいろいろなアイデアが集まります。ショートフィルムを上映する場にしてはどうか、塩尻の住民たちが自分たちで 映画を撮るワークショップを企画してはどうか、某光学機器メーカーに協賛してもらったらどうか、スクリーンになるお店に一度シャッターを開けてもらっては どうか、などなど。
若い学生のアイデアに、大人たちが一生懸命に知恵を出す光景はなんだか温かいです。

最後に40人の参加者ひとりひとりがプロミスカードをつくって発表しました。
プロミスカードとは、「明日から、自分がやること」を書いた行動宣言書です。遠い未来の話ではなく、その気になれば翌日から実現できる行動宣言。
毎日毎日の積み重ねで、欲しい未来を手に入れていく。ひとりひとりの決意表明を聞くことができました。

塩尻の未来を構想する上で、交流人口の促進とその軸となる「観光」は避けては通れないテーマです。それだけに、市役所や観光協会などだけでなく、市民ひとりひとりがそれぞれの立場で考え、実行していく必要があるでしょう。
ただし、義務感だけで考えるのではなく、大切なのは、夢を前向きに語り合うこと。そうすれば、前向きなエネルギーが内から湧いてくる。そんな気がします。
そして、前向きなエネルギーを引き出して、それをどんどん大きくしてくれる仲間が今回の塩尻未来会議で見つかったのではないかと思います。面白いと言ってくれる誰かがいてこそ、勇気が湧いてきますよね。
ちなみに、「真夜中の映画祭」企画は、12月25日に開催が検討されています。

次回の塩尻未来会議は11月17日(木)10時〜12時、えんぱーくで開催されます。テーマは「子育てしやすいまちをみんなでつくろう!」。
これからの時代は「共育」がキーワード。子育て中の方はもちろん、子どもを持っていない人も、子育てが終わった人も、それぞれにできることがあるはずです。
当日は託児サービスもあります。
https://www.facebook.com/shiojiri.mirai.kaigi/)で発信していきます。

みなさんもぜひご参加ください。

(Text:編集室O Photo:Ando“AN”Masaki)